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【相続税法改正】相続税を計算するときの養子について

  • 2008/09/12

養子について、日本税理士会連合会と財務省主税局との意見交換 が行われています。

 

養子について

 

【現在の相続税法】

(1)相続税の計算のとき、法定相続人の数をカウントするときに制限があります。
※相続税の非課税枠や相続税の税率区分などに影響しますので、相続税の節税効果があります。

(2)被相続人の子供以降の世代(孫やひ孫)が被相続人の養子になっているときは、相続税の2割加算の対象とはならない「一親等血族(子供)」には含まれないため、相続税が2割加算されます。

 

 

【現在の相続税法の問題点】

現在の相続税法では、法定相続人である養子が増えると、養子が実際に相続財産を取得しなくても、相続税の総額を計算するときには相続税の非課税枠(5000万円+1000万円×法定相続人の数)が増えたり、相続税の税率が下がるので、他の相続人の相続税の節税にもなります。
このような効果を利用した相続税の租税回避行為を防ぐため、現在の相続税法では、相続税の総額を計算するときに、
・被相続人に実の子供がいるとき→養子1人まで
・被相続人に実の子供がいないとき→養子2人まで
と、養子を法定相続人の数をカウントするときに制限をしていますが、相続税の計算方法を見直したときには、どうすればよいか。

 

 

【相続税改正の方向性】

相続税の計算方法を見直した場合には、養子が実際に相続財産を取得したときにはじめて相続税の非課税枠(5000万円+1000万円×法定相続人の数)の増加や相続税の税率区分が下がるなどの効果が出ることになるので、相続税の計算をするときは、養子と被相続人の実の子供を同じ扱いにしてはどうか。
しかしながら、相続財産がまだ分割されていない場合に相続税の申告のときには、現在の相続税法と同じく、養子については、相続税の計算のときに
・被相続人に実の子供がいるとき→養子1人まで
・被相続人に実の子供がいないとき→養子2人まで
を法定相続人の数にカウントして相続税を計算し、例えば次のような計算方法で各相続人について相続税を計算してはどうか。

(1)養子の数を制限した仮の各相続人の相続税を計算して、それを合計した金額を「相続税の総額」とする。
(2)(1)により計算した「相続税の総額」をすべての養子を含めた実際の各相続人の法定相続分で按分する。

 

相続財産がすべて分割されているときは、養子と被相続人の実の子供と区別はしないそうです。
ただし、相続財産がまだ分割されていないときは、現在の相続税法と同じく、養子と被相続人の実の子供と区別をするそうです。
「相続税の申告期限までに遺産の分割ができなかったときの相続税の申告について」というブログ にも書きましたが、「相続財産がまだ分割されていない」ときは、現在よりも厳しく対処するようです。
このように今後、相続による争い(争族)は相続税の増税につながる可能性もあります。
円満な相続は、「ご家族の幸せのため」だけでなく、「相続税の節税」にもつながるかもしれません。

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