年収2000万円を超える給与所得者について、所得税の増税が検討されています。
(日本経済新聞10/31) 2000万円超は給与所得控除せず 政府税調、上限検討
政府税制調査会はサラリーマンの収入の一定割合を必要経費とみなして課税所得から差し引く「給与所得控除」について、上限を設ける方向で検討に入った。 年収のうち2000万円超の部分を控除の対象外とする案が有力。 同控除を巡っては、年収が高額になるほど青天井で控除額が膨らむ現行制度に対し、昨年末にまとめた2010年度税制改正大綱でも「見直しが必要」としていた。
【給与所得控除とは?】 給与所得控除は、給与収入のある方に認められている「経費」です。
自営業の方には「経費」という考え方がありますが、会社員の方には「経費」という考え方がありません。 会社員の方には、まったく経費がないとは言えません。 ・仕事で着用するスーツの購入費用 ・仕事で使う鞄の購入費用 ・仕事で使う靴の購入費用 などです。
「一年間にこれくらいは使っているでしょう」という概算の経費として、給与収入から差し引くことが認められています。
【給与所得控除の制限=所得税の増税】 給与所得控除は、会社員の方の概算経費です。 この概算経費に上限を設けるということは、概算経費が少なくなることを意味します。 つまり、概算経費が少なくなれば給与所得が大きくなりますので、結果的に所得税の増税となります。
【給与所得者の方には、所得税の節税方法はないのか?】 給与所得者の方の節税の方法として、 (1)所得控除を見直す (2)投資用不動産を購入する などが、一般的に知られています。
また、会社経営者におきましては、 (3)少人数私募債の活用 が、一般的に知られています。
長嶋個人的にですが、これらはあまり意味がないと思っています。 その理由としては、次の2つがあります。 (1)高額所得者の方が支払っている所得税の額からすれば、ほんのわずかな節税にしかならない。 (2)不動産や少人数私募債へ投資する額に対して、節税できる金額が極わずかである。 定期預金の利率や日本国債の利率と変わらない資金効率になる可能性が高く、資金効率があまりにも悪すぎる。
このようなことから、一般的に知られている所得税の節税方法では、根本的な解決にはなりません。 より効果的で根本的に解決できる所得税の節税方法を検討する必要があると思います。
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