遺産相続の相談、相続税の相談を解決へと導く、兵庫県芦屋市の相続税専門の税理士事務所です。

長嶋佳明税理士事務所
相続そのあと|税務調査
相続税の税務調査の実情
平成17年度における相続税の税務調査は、平成15年度・平成16年度に提出された申告書を中心に、国税局及び税務署で収集した資料情報を基に、相続税の申告書に記載された税額が少ないことが予想される方に対して実施されています。つまり、税務署は相続税の申告書の提出があったときから、1〜2年後に税務調査を行っていることがわかります。
相続税の税務調査の実情

項目 平成16年度 平成17年度
税務調査をした件数 13,760件 14,218件
税務調査の結果、
申告漏れがあったもの
11,895件 12,119件
申告漏れの割合 86.4% 85.2%
申告漏れのうち、
悪質なもの
1,690件 1,781件
悪質な申告漏れの割合 14.2% 14.7%
申告漏れの遺産の額 4,003億円 3,882億円
申告漏れの遺産の額のうち、
悪質なもの
608億円 698億円
申告漏れの相続税額 799億円 742億円
悪質な申告漏れに対する
罰金の額
124億円 121億円
申告漏れ1件当たりの
遺産の額
3,365万円 3,203万円
申告漏れ1件当たりの
相続税額
672万円 713万円
(1)相続税の税務調査の件数は14,218件(対前年度3.3%の増加)、このうち遺産の申告漏れがあった件数は12,119件(同1.9%の増加)といずれも増加しており、遺産の申告漏れ割合は85.2%(同1.2ポイントの減少)となっています。

(2)申告漏れの遺産の総額は、3,882億円(対前年度3.0%の減少)であり、これを申告漏れ1件当たりで見ると、3,203万円(同4.8%の減少)となっています。
 また、この申告漏れにより追加で納められる相続税の総額は、864億円(同6.5%の減少)であり、これを申告漏れ1件当たりで見ると、713万円(同8.2%の減少)となっています。
税務調査により見つかった申告漏れの遺産の額と種類別の内訳

種類 土地 家屋 有価証券 現金・預金 その他 合計
財産額 738億円 74億円 651億円 1,464億円 976億円 3,903億円
構成比 18.9% 1.9% 16.7% 37.5% 25.0% 100.0%
相続税の税務調査により、申告漏れであった遺産の構成比は、現金・預貯金等が37.5%(対前年度0.1ポイントの減少)で最も高く、土地18.9%(同1.7ポイントの減少)、有価証券16.7%(同0.9ポイントの増加)の順となっています。
海外に財産をお持ちの方の相続税の税務調査の実情

項目 平成16年度 平成17年度
税務調査をした件数 255件 297件
申告漏れの件数
(うち海外の財産)
197件
(59件)
237件
(58件)
申告漏れの遺産の額
(うち海外の財産)
129億円
(31億円)
136億円
(53億円)
1件当たりの
申告漏れの遺産の額
(うち海外の財産)
6,528万円
(5,303万円)
5,717万円
(9,214万円)
海外の財産をお持ちの方の相続税の税務調査の結果、申告漏れがあった件数は237件(対前年度20.3%の増加)、申告漏れも遺産の額は136億円(同5.4%の増加)となっており、このうち海外の財産の申告漏れは53億円(同70.8%の増加)となっています。これを申告漏れ1件当たりで見ると、5,717万円(同12.4%の減少)となっていますが、海外の財産だけの申告漏れ1件当たりで見ると9,214万円(同73.7%の増加)となっています。
相続税の税務調査で遺産の申告漏れが発見される主な事例
(1)預貯金の名義が、ご家族・親戚・友人などになっている
(2)高額の現金や国債などを、自宅などに隠している
(3)財産が海外にあることを悪用して、遺産から外している
(4)架空の借用証書などを作成して、遺産を少ないように見せかける

このように、遺産の申告漏れが発見された場合で、その申告漏れが悪質だと判断されたときは、罰金として、追加で納めることになった相続税の35%程度がかかりますので、くれぐれもご注意ください。
遺産の総額が2億円を超えると税務調査があります
相続税の申告書を提出した故人は、年間およそ45,000件。相続税の税務調査が行われた件数は、年間およそ14,000件。税務調査を受ける割合は30%程度です。相続税の申告書を提出した故人のうち、遺産の総額が2億円以下の方の占める割合はおよそ70%であることから、遺産の総額が2億円を超えると税務調査があると考えてもいいと思います。税務署も人手不足・税金を取るノルマなどの事情から、税率が高い高額の遺産をお持ちの方の税務調査をすれば、効率よく税金を取ることができると考えますので、これは仕方のないところだと思います。
税務調査を行う先の選び方
税務調査の目的は、もちろんのことながら正しく申告がされているかどうかのチェックをすることです。税務署にはいろんな情報が集まってきます。例えば、生命保険会社では「誰にいくらの保険金を払いました」という報告書を税務署に提出しています。また所得税の確定申告のときには、高額な所得税を払う方に「今これだけの財産を持っています」という書類を提出させています。このように税務署は、「この方の職業・収入・財産などから推測して、これくらいの遺産は持っているはず」というデータを把握しています。税務署で推測した数字と、実際に提出された相続税の申告書に書かれている遺産の総額と比べて少なすぎるなど疑問があれば、税務調査を行うという仕組みになっています。税務署が税務調査に来るということは、既に「相続税が少なすぎる」という疑いの目を持っています。税務調査においては、その疑いの目が晴れるような資料などを事前に準備しておくことが望まれます。
銀行は税務署のいいなりです
相続税の税務調査において、申告漏れが見つかった遺産のうち、現金・預金などの割合が37.5%と一番高いです。なぜ、現金・預金などの割合が高いのでしょうか。それは、銀行が税務署のいいなりになっているからです。銀行を監督するのは金融庁ですが、税務署を監督する財務省と密接な関係があるためです。そのため、銀行は迷惑に思っていても税務署の税務調査に協力をしなければならない立場にあります。もし、銀行が税務署の税務調査に協力することを拒否すれば「銀行の営業停止、強制調査」といったことにもなりかねません。銀行も営業妨害をされるよりは、税務調査に応じるほうがよっぽどマシだと思っています。
税務調査において銀行は故人情報の保護はしません
このように、銀行は税務署の税務調査に協力をしなければなりませんので、誰がどのくらいの預金を持っているかなどの情報をすべて税務署に教えます。つまり、税務調査において銀行は個人情報の保護はしないのです。「しない」と言うよりは「できない」と言ったほうが正確かもしれません。
申告漏れの銀行口座がみつかる理由
税務署はどのようにして、申告漏れの銀行口座を発見するのでしょうか。銀行から教えてもらった個人の情報と、相続税の申告書に書かれている銀行口座をチェックしていけばわかります。そして、税務署は税務調査のときに故人の自宅を訪問しますが、そのときに、室内をよく観察しています。何をしているのか?それは、銀行・農協・郵便局・証券会社など金融機関のカレンダーやタオルがかかっていないかを見ています。こうした、カレンダーやタオルがお宅にあるということは、その金融機関とお付き合いがある証拠です。カレンダーやタオルがかかっているのに、その金融機関の預金が相続税の申告書に書かれていなかったとしたら、税務署は脱税の可能性が非常に高いと判断します。
金融機関の口座隠しは簡単に見つかります
金融機関の口座隠しは基本的に見つかるとお考えください。私どものように相続を専門に携わっておりますと、私どもが隠し口座を発見します。税務署に発見されれば税金だけでなく余分に罰金を持っていかれますが、私どもが発見すると余分な罰金を払う必要がありません。こうした部分でも相続の専門家に依頼をする価値は十分にあると思います。
資産家がスイスの銀行にお金を預ける理由
日本の銀行は、税務署のいいなりになっていますので、厳密な意味での「個人情報の保護」というものは、日本には存在しないのです。そのため、資産家の方は自分の財産を日本の銀行に預けておくことを不安に感じられる方もおられます。そこで、スイスの銀行の「秘密口座(プライベートバンク)」を利用する方が多いです。スイスの法律に従う銀行は、警察や司法などの国家権力からの強制捜査をも拒否する非常に水準の高い守秘義務があります。もちろんのこと、税務署の税務調査に協力することもありません。このように、スイスの法律に従う銀行は非常に安全性が高いため、世界中の資産家から信頼されています。この秘密口座(プライベートバンク)にご興味がある方がいらっしゃいましたら、私どもからしかるべき担当者のご紹介もさせていただきます。
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