先日、お客様のご自宅に訪問した際、ハワイのタイムシェアについてご相談がありました。
簡単に要約すると、次のような内容でした。
(1)ハワイのタイムシェアを購入することを検討している
(2)ハワイには年に一度は行くので、トータルで見た旅費が安くなるのではないかと思っている
(3)資産価値もあるので、円高の今購入した方が資産運用としても有利になると思っている
長嶋はどう思うか?というお話でした。
お客様には、簡単に次のような長嶋の意見をお伝えしました。
【タイムシェアの資産価値】
タイムシェアは、ハワイで日本と同じように「登記」がされますので、不動産を購入したのと同じです。
将来、遺産相続の手続きにより、ご家族へ引き継ぐことも可能です。
タイムシェアを売却するつもりがないのであれば、利用する権利としては十分に価値があるものと思います。
しかし、タイムシェアは、あくまでも「利用する権利」を購入するものだと思います。
利用する権利としての価値はありますが、それが資産価値と同じであると考えることは少々乱暴のように思います。
資産価値とは、売却したときにいくらで売れるのか?(時価)が重要だと思います。
もし、タイムシェアを売却することも視野に入れるのであれば、売却価値(時価)も検討する必要があると思います。
タイムシェアには、車の中古市場と同じようなものとして「リセール市場」がありますので、そちらの価格が「時価」の参考になると思います。
【資産運用としてのタイムシェア】
円高の今、海外の資産を購入することは、資産運用としてはとても良いタイミングだと思います。
資産運用を重視してタイムシェアを購入されるのであれば、資産価値を重視すべきだと思います。
資産価値=時価だと思います。
個人的には、タイムシェアではなく、もう少し資金を上積みしてコンドミニアムを購入した方が資産価値としては確かなものになると思います。
【タイムシェアの売却時には税金の問題も】
タイムシェアは不動産ですので、売却したときには税金の問題が出てきます。
税金の問題とは、アメリカでの所得税の問題です。
日本在住の日本人がタイムシェアを売却すると、売却金額に対して15%の所得税が天引きされます。
15%のうち、10%はアメリカの連邦税、5%はハワイの州税です。
タイムシェアを売却して売却損が出た場合は、本来的には所得税を払う必要はありません。
ところが、売却金額の15%の所得税が既に天引きされていますので、この天引きされた所得税を取り戻すことができます。
もし、この天引きされた所得税を取り戻すときは、アメリカに申告をしなければなりません。
この申告手続きは、一般的にアメリカの公認会計士や税理士に依頼することになると思います。
アメリカの公認会計士や税理士をご紹介することも可能です。
【タイムシェアの購入目的により結論が異なる】
お客様は、「単純に円高なのでお買い得だと思った」とのことでした。
長嶋の話が終わったころ、お客様は「資産価値と利用価値は違うことがよくわかった」という感想をお持ちでした。
結論として、お客様はタイムシェアの購入を見送られました。
少しでもお客様のお役に立てたのではないかと思います。
タイムシェアを購入する目的が「利用すること」であれば、タイムシェアを購入するメリットは十分にあると思います。
タイムシェアを購入される目的により、「購入する・購入しない」の判断が分かれることになろうかと思います。