先日、シンガポールにお住まいの方から、遺産相続や相続税のご相談がありました。
こちらのお客様は日本国籍で、今後シンガポールの永住権を取得される予定とのことでした。
【お客様がお困りになられていたこと】
このたび、お父様について相続税の申告が必要とのことで、お客様は次のようなことにお困りでした。
(1)日本の相続税を減らす方法を知りたい
(2)近い将来の母の遺産相続を視野に入れて、今回どのような遺産分割をすれば良いのか
【遺産分割の仕方を工夫すれば、相続税は節税できます】
実際に相続が開始してしまった後では、相続税の節税はできないとお考えの方が多いと思います。
実は、遺産分割の仕方を工夫することで、相続税を節税することは十分に可能です。
相続税は、遺産分割で遺産を相続した方が、その遺産について支払うものです。
相続税の前提条件である遺産分割を工夫すれば、相続税の節税につながる可能性があることを、ご理解いただけるかと思います。
【「近い将来の母の遺産相続を視野に入れる」というご希望は意外に多いです】
お客様のご希望にもありました「近い将来の母の遺産相続を視野に入れる」というご相談は、意外に多いです。
ご相談される皆さんに共通するのは、
(1)トータルの相続税が一番安くなる方法を検討したい
(2)相続人の生活に配慮したい
というご希望です。
(1)トータルの相続税が一番安くなる方法を検討したい
お父様とお母様のお二人の相続税が最も安くなる方法は何か、ということです。
相続税には「配偶者の税額軽減」という特典がありますので、配偶者が多くの遺産を相続すれば、お父様の相続のときには相続税を払わなくて良いケースが多々あります。
しかし、次のお母様の相続のときには、この「配偶者の税額軽減」の特典が使えませんので、その時に多額の相続税がかかる可能性があります。
そもそも「配偶者の税額軽減」の特典は、「配偶者の生活を守る」という建前での優遇措置です。
しかしながら、「近い将来起きるであろう配偶者の相続のときに、相続税をまとめて払ってくれれば良い」という「政府の本音」が見え隠れするのも事実です。
このような理由から、トータルの相続税が一番安くなる方法を検討したいというご希望が多いように思います。
(2)相続人の生活に配慮したい
遺産を相続される相続人の方々には、それぞれ個別の事情があります。
・ご自宅は、長男に継がせたい
・相続人の中に障害を持っているなどの理由で、経済的弱者の方を助ける必要がある
などです。
このようなお話になりますと、相続人の方々の日常生活の課題になりますので、こちらの方が相続税よりも切実な課題になることが多いです。
【相続税を減らす方法・遺産分割の最適な方法は、お客様のご希望次第】
・相続税を減らす方法
・遺産分割の最適な方法
は、いずれも「方法論」にしかすぎません。
そのやり方は、無数にあります。
その無数にある方法論の中で、お客様の価値観やご希望に合う方法は、ほんのわずかだと思います。
まず、お客様のご希望や価値観を理解し、お客様と相談しながら、お客様に最も合う方法を探っていきたいと思っています。
【お客様が世界中のどこに行こうとも、お手伝いさせていただきます】
お客様は、シンガポールで生活をされる前は、ヨーロッパにお住まいだったそうです。
今後、仕事の関係で生活の拠点がシンガポール以外の国になることも十分予想されます。
長嶋は、スイスのプライベートバンクとお付き合いさせていただいていますので、プライベートバンクを通じて各国の弁護士や会計士などの専門家をご紹介することも十分に可能です。
このように、お客様が世界中のどこへ行こうとも、お手伝いをさせていただきます。
【参考ブログ】
・【遺産相続税相談】相続人がシンガポール永住権者の遺産相続税(2010/05/26)
・【アメリカ相続税(遺産税)】グリーンカード(green card)保持者からの遺産相続のご相談(2009/10/26)