先日、遺産相続のお手伝いをさせていただいている社長の会社に訪問してきました。
遺産相続のご相談ではなく、会社の中国進出のご相談でした。
社長は、長嶋が遺産相続を通じて海外とのネットワークがあることをご存じですので、それを期待してのご相談だったのだと思います。
お話を伺うと、「自社商品を中国で販売したい」とのご相談でした。
【中国での会計や税務よりも、商品を中国に持ち込むことが難しい】
長嶋がいつも感じることですが、中国での会計や税務のことよりも、商品を中国に持ち込むことがとても難しいということです。
中国での会計や税務は、現地の会計士に依頼すれば解決できる問題です。
しかしながら、商品を中国に持ち込む手続きは、通常、会社が行わなければなりません。
中国に商品を持ち込むには、通常、
・商品を販売する地域や都市の「官僚」との接点が必要
・それなりの資金が必要
です。
公的な機関を通じて、正面玄関からノックをすると、割高な費用が請求されることも多々あります。
特に、中小企業にとって、官僚とのコネクションを持つことは非常に難しいことだと思います。
【商品を中国に持ち込むには、法律関係をクリアする必要がある】
商品を中国に持ち込む場合、商品に含まれる成分や素材などについて、日本と中国での法律をクリアする必要があります。
例えば、
・素材や成分が日本の法律では問題ないが、中国の法律では使用禁止されている場合がある。
・医薬品などを販売する場合、日本の法律(薬事法)をクリアする必要がある。
などです。
中小企業にとって、様々な法律関係をクリアすることは、負担の重いことだと思います。
【中国への進出はハードルが高いため、台湾や香港を経由するのが賢い方法】
中国でビジネスを始めるときは、
・カネ(お金)
・コネ(官僚)
があって、初めてスタートラインに立つことができます。
これらがなければ、中国での販売そのものができません。
これらのハードルが高いので、台湾や香港を経由して中国本土に入ることが、円滑にビジネス展開をするには賢い方法だと思います。
【台湾や香港を経由しても、法律問題はクリアする必要がある】
例えば、化粧品を販売している日本の上場企業(A社)。
香港で化粧品を販売していましたが、香港の法律で使用禁止されている成分が検出されたため、数年前に、香港の店頭からA社の商品が消えたことがありました。
このA社の商品は、香港ではとてもブランド力があります。
ブランドがあるA社の商品が店頭から消えたということで、香港では大きく報道されましたが、日本ではまったく報道されていません。
上場企業であるA社でも、法律問題をクリアすることは難しいようです。
【中国での会計や税務よりも大事なこと】
一般的に、税理士が中国進出のサポートをする場合、
・商品や製品のマーケティング
・現地法人の設立
・現地の会計や税務のサポート
などを行いますが、現地で商品が販売できなければ、これらはまったく意味がありません。
また、中国進出を検討する会社にとって最も負担が大きいのは、中国に商品を持ち込むことだと思います。
長嶋は、会計や税務のことよりも、まず中国でビジネスを始められるためのお手伝いをすることが最も重要だと思っています。
【台湾や香港へ進出するためのご紹介】
台湾や香港へ進出する場合でも、日本と現地の法律をクリアする必要がありますので、信頼できる方を社長にご紹介することになりました。
また、もし、台湾や香港の会計や税務に関するサポートが必要であれば、現地の会計士をご紹介することも十分に可能です。
長嶋は、スイスのプライベートバンクと提携させていただいておりますので、お客様が世界のどこへ行こうとも、お困りのことがあればお手伝いさせていただきます。
そして、会社の成長のお役に立てる機会をいただいたことだけではなく、遺産相続とは関係ないことで社長からご相談いただいたことが大変嬉しく思います。
【参考ブログ】