タックスヘイブン(租税回避地)を利用した脱税に関して、規制が強化されるようです。
(日本経済新聞:2/26) 日米欧など先進・新興各国の政府は、タックスヘイブン(租税回避地)を通じた国際的な脱税を相互監視する方針を固めた。 監視を担う組織を設け、3月にも各国の銀行の顧客情報開示の状況などについて調査を始める。
守秘義務を主張して顧客情報の開示に消極的とされるスイスやカリブ海諸国なども含め、3年で約 100カ国・地域を調査。 開示が不十分な場合には制裁措置を課す。
【顧客情報の保護(守秘義務)は、主張ではなく法律で決められていること】
スイスでは、銀行の顧客情報の開示をした者は、法律で罰せられます。 つまり、犯罪になります。 したがいまして、守秘義務を主張しているのではなく、単に自国の法律を守っているに過ぎません。
脱税を防ぐことももちろん大事なことではありますが、他国が定めている法律について、諸外国が干渉する権利があるのか非常に難しいところです。 もし他国の干渉が認められますと、現代のほとんどの国家が法治国家であることから、法治国家そのものが否定されかねません。
【国家間の合意があっても裁判所の判決では禁止】
昨年、スイスの銀行の最大手UBSがアメリカの税務当局に顧客情報を提供することについて、スイスとアメリカの国家間では合意をしました。 しかしながら、スイスの行政裁判所は、顧客情報を提供することを禁止する判決を今年1月に出しています。
国家間の合意があったとしても、裁判所がNOと言えば、UBSは顧客情報を提供することはできません。 今後の動きに注目です。
【スイスのプライベートバンカーから情報収集】
今年2月には、ドイツ・フランスの両政府が、スイスに対して脱税捜査に協力するよう圧力をかけ始めています。 このように、スイスでは銀行の顧客情報に関して圧力が激しくなっています。 3月にスイスのプライベートバンカーとお会いすることになっています。 このような報道に関して、 ・スイスでは、どのような報道がされているのか ・スイス国家として、どのような対応を考えているのか ・銀行として、このような報道をどのように受け止めているのか ・銀行として、今後どのような対応が考えられるのか など、現地の生の声の情報を収集したいと思っています。
【参考ブログ】
・プライベートバンクについて詳細な情報が出てこない理由(2008/08/21)
・【相続税税務調査】相続税申告漏れ、海外資産が増加(2009/12/14)
・【相続税法改正】相続税税務調査、海外資産の税務調査強化へ(2010/01/11)
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