先日、神奈川県の方から土地の評価を見直すことによる「相続税の還付の可能性」についてご相談がありました。
【土地の評価を見直すとは?】
相続財産の中に土地があるとき、この土地を相続時の時価ではなく相続税の評価額に直して、相続税を計算することになります。
土地の相続税評価は、一般的には「路線価×土地の面積」で評価を行います。
この「路線価×土地の面積」=土地の相続税評価という計算方法が妥当なのかという問題が出てきます。
【相続財産は相続時の時価で評価】
相続財産は、相続時の時価で評価をすることになっています。
相続税を払う多くの方は、不動産に詳しくはありません。
不動産に詳しくない方が、土地の時価を計算するのはとても難しいものです。
そこで、不動産を知らない方でも相続税評価を簡単に計算できるよう「路線価」を使うように定められています。
簡単に計算できるようにと定められた「路線価」ですので、必ずしも「路線価=相続時の時価」というわけではありません。
【相続財産のうち6割は不動産】
相続財産のうち、土地や建物などの不動産は、6割を占めます。
つまり、相続税を取り扱うには、不動産の知識が不可欠です。
不動産の知識がなく、相続税を扱うことは、無免許で車を運転するのと同じくらい怖いことだと思います。
その結果、相続税を数千万円も余分に払う方もいらっしゃいます。
<参考ブログ>
・遺産相続税相談室|長嶋佳明税理士事務所|相続そのあと・・・相続が終わった方はこちら
【ご相談者様との面談】
いつもお世話になっている東京の不動産鑑定士に協力をいただき、先日ご相談者様と面談をしてきました。
相続税の申告書を見させていただいたところ、土地は10筆ほどありました。
相続税の申告書を見ながら、相続税の還付の可能性を検討しました。
10筆ほどの土地のうち、相続税の還付の可能性があるのは、一つの土地だけだと長嶋は判断しました。
不動産鑑定士に意見を求めると、長嶋と同じ判断をしていました。
【相続税の還付の仕組み】
ご相談者様に、相続税の還付の可能性があることを伝え、そのご説明をしました。
相続税は、単純に「相続財産の相続税評価額×相続税の税率」で計算をすることができます。
つまり、土地の相続税評価額が下がれば、その相続税評価額が下がった部分の相続税は、余分に払っていることになります。
相続税の還付の仕組みは、この土地の相続税評価額を下げられるのかがポイントになります。
【相続税の還付手続きをされるかどうかはご相談者様のご判断】
ご相談者様に、
・土地の相続税評価額をどれくらい下げられるのか
・土地の相続税評価額を下げたことにより、どれくらいの相続税が戻ってくるのか
を概算でお話させていただきました。
相続税の還付の手続きをされるかどうかの判断は、ご相談者様がされます。
最終的に、戻ってくる相続税の金額と、それに費やす時間や手間暇を考えるとあまり効果的ではないと判断され、相続税の還付の手続きはされないことになりました。
ご相談だけでしたので、ご相談者様との面談は30分程度で終了し、当然のことながら相談料はいただいておりません。
帰り際、ご相談者様は次のようにおっしゃいました。
「相続税があまり戻ってこないのは残念ですが、いくら戻ってくるのかがわかっただけでもよかったです。」
ご相談者様は、晴れ晴れとした顔で帰られました。
【相続税申告書の作成時に判断】
このたび相続税の還付の可能性のご相談をいただいた方は、既に相続税の申告を済まされた方でした。
長嶋が相続税申告書の作成のご依頼をいただいた場合、相続税の申告書の作成の時点で、この土地の評価の判断をしています。
昨年、相続税の申告書を作成したときのことを、次のようにブログでご紹介をしています。