先日、国税庁から公表された「相続税の税務調査の状況」 にも述べられていました「相続税の税務調査における海外資産の調査強化」が、このほど公表されました平成22年度税制改正大綱にも明記されました。
税制改正の方向性は次のように述べられています。
「適切な課税・徴収の確保の観点から、クロスボーダーで活動を行う者の適切な課税の確保や、国外資産等に係る情報の的確な把握についても、具体的な方策について検討する必要があります。」
その具体的な方法として、次のように述べられています。
「外国税務当局との情報交換に関し、租税条約や行政取極の締結により情報交換ネットワークを迅速に拡充するとともに、情報提供と守秘義務の関係を整理することによって一層効率的かつ円滑に情報交換を実施していくため、租税条約等に定めるところにより、当該租税条約等の相手国の税務当局に対し、租税に関する情報の提供を行うことができる旨の規定を創設します。」
これを踏まえて、財務省は通常国会に改正案を提出する方針です。
【従来の海外資産の相続税の税務調査の方法】
各国との租税条約に「情報交換しましょう」と定められていただけで、法律上の明確な根拠がありませんでした。 また、どこまでの情報を提供するのかは、税務当局の判断とされていました。
【海外資産の相続税の税務調査の方法の改正案】
法律として、次の内容を明記します。 ・情報を提供する際の根拠となる規定 ・情報を提供する際の守秘義務 ・相手国にも同じように情報交換すること
このように、法律としてしっかりと明記することで、租税条約を結んでいない国に対しても行政当局間の合意で情報交換が可能になります。
【今後ますます積極的に海外資産の相続税の税務調査を行われます】
日本国内での資産運用に満足することができず、海を渡って資産運用をされている方が増えていると思います。 結果として、相続税や所得税の申告漏れとなり、相続税や所得税の税務調査で指摘される事例が増えています。
海外資産の相続税の税務調査の事例は、次のようなものがあります。 (1)海外預金・有価証券を相続税の申告から除外 (2)海外の被相続人からの相続財産を無申告
海外の税務当局との情報交換が、今後ますます強化されます。 海外に財産があるから税務署は見つけることができない、とは大きな間違いと考えた方が無難かと思います。
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