相続税の課税が強化される方向で議論が進みそうです。
(日本経済新聞11/16 ) 政府税調、相続税の強化検討 租税特別措置で査定案
政府税制調査会は17日から2010年度税制改正に向けた本格討議に入る。 租税特別措置の見直しは財務省が各省庁に提示する査定案をもとに議論する。 地球温暖化対策税などの主要課題に加え、相続税の課税強化も議題にする。 富裕層の税負担を増やし、所得再分配の機能を強化する狙いがある。
財務省の峰崎直樹副大臣と古本伸一郎政務官は15日夜、同省内で協議し、16日に各省庁に示す租税特別措置の査定案をまとめた。 今年度末に期限切れを迎える47の措置など計78項目について、廃止や縮小を求める内容。 各省庁は査定案を踏まえ、17日以降の税調会合で存廃を明示した要望を出し直す。 税調は月内に78項目の存廃の方向を示す予定。 期限切れを迎える措置は原則として廃止する基本方針をすでにまとめており、他省庁と激しい論戦になりそうだ。
【相続税の課税方法の変更も検討】
現在の相続税法では、財産を相続した方が、相続税を払うことになっています。
これを、被相続人(亡くなられた方)の遺産そのものに課税をする方法へ変更も検討されそうです。 この「遺産そのものに課税する」という方法は、アメリカの相続税(遺産税)と同じ考え方になります。
【相続税の課税方法が変更されれば、贈与税の課税方法も変更される?】
私見ですが、相続税の課税方法(遺産について課税)が変更されるのであれば、贈与税の課税方法も変更されるのではと考えます。 日本の贈与税は、財産をもらった方が、贈与税を払うことになっています。
贈与税は、相続税を補う位置づけの税金のため、相続税の課税方法が変更されれば、自動的に贈与税の課税方法も変更されるものと思います。
【相続税・贈与税は日本だけの問題ではありません】
日本と経済的な結びつきが最も強いと思われるアメリカ。 日本は、アメリカと2つの内容で租税条約を結んでいます。 (1)所得に対する税金(所得税や法人税)に関する条約 (2)相続税・贈与税に関する条約
相続税・贈与税に関する条約は、相続税・贈与税の考え方が日本とアメリカでは違うので、それを調整するためのものです。 特に贈与税は、日本とアメリカの贈与税の課税の方法が違うため、国際的な二重課税となります。
相続税・贈与税の課税方法の変更は、相続税・贈与税の考え方を根本から変えることになります。 そのため、相続税・贈与税の課税方法の変更は、日本だけの問題ではありませんので、各国との調整が必要となりましょう。 2010年度の税制改正では、税制改正の方向性の大枠を決めるに止まり、具体的な議論は2011年度に持ち越されるものと考えます。
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