先日、相続税の申告書の作成のため、相続財産である不動産(土地と建物)の現場を見に行きました。
その土地は、兵庫県にありましたが、相続税の申告書の作成の依頼をされていなければ訪れることはない場所だろうと思います。
知らない場所に訪れる機会をくださったお客様に対して、感謝の気持ちでいっぱいです。
【お客様からお聞きしていたこと】
お客様から、その土地は売却する予定であるとお聞きしていました。
その土地の、登記事項証明書(登記簿謄本)を取り寄せてみると、「地積測量図」が法務局にありませんでした。
土地・建物ともに戦前に取得されたので、その当時「測量をする」ということは一般的には行われていなかったようです。
したがいまして、土地の境界線も決められていない可能性があります。
【土地を売却するには境界を決めることが必要】
土地を売却するには、土地の境界線が確定していなければなりません。
境界の確定には、その土地に隣接している土地の持ち主全員の合意が必要となります。
そのため、場合によっては、境界の確定に半年や1年かかることがあります。
もし、この土地を売却するには6人の方の合意が必要になると思われます。
こちらのお客様は、相続税を払う現金をお持ちですので、相続税を払うために土地を売却するのではありません。
しかしながら、土地を売って相続税を払う方にとりましては、もし境界が確定していなければ、相続税の納税期限である10ヶ月に間に合わない可能性があります。
周りの土地を持っている方が、すんなりとハンコを押してくれれば良いのですが、みなさんがそうとも限りません・・・
【登記事項証明書(登記簿謄本)に書かれている面積は不正確】
登記事項証明書(登記簿謄本)に書かれている面積は、正しい面積ではありません。
明治時代に「縄」を張って人間が計測した面積が、登記事項証明書(登記簿謄本)に記載されています。
人間が測ったものですから、縄に「たるみ」や「歪み」があれば、正しく測ることはできません。
つまり、現代のような機械を使って測ったものではありませんので、正確なものではありません。
戦前に売買された土地ですので、実際の面積と登記事項証明書(登記簿謄本)の面積が異なる可能性が非常に高いものと思われます。
したがいまして、土地の売買をするときは、測量をする必要があると考えられます。
測量とは、実際に土地の面積を測ることです。
【土地の測量をするのは土地家屋調査士の仕事です】
土地の測量をするのは、土地家屋調査士の仕事です。
以前にも、いつもお世話になっている土地家屋調査士のお力をお借りして、お客様に喜んでいただきました。
この土地を正式に売却することになれば、土地家屋調査士に測量をお願いしようと思っています。
【売るに売れない土地の可能性が高いです】
実際に土地の現場を見ますと、整った長方形でした。
一見、土地の使い勝手が良いのですぐに売れるような印象があります。
しかしながら、土地と道路が接している部分(間口)が非常に短いです。
つまり、入口が狭いと車も通りずらいので、使い勝手が悪くなります。
使い勝手が悪いということは、購入される方も少なく、また値引きをされる可能性が高いです。
お客様は売却するおつもりですが、本当に売ることができるのか?
あるいは、売却せず有効活用をしたほうが良いのか?
この辺りのお話を、今後お客様としていきたいと思っています。
相続税の計算は、どの税理士でもできます。
不動産の有効活用なども合わせてお話をすることができる、お客様にとりましてはこういうことも大事だと思います。