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未上場株式の相続税の納税猶予制度を利用するためには担保が必要です【相続税・事業承継税制】

  • 2009/09/02

会社経営者様から、相続税の納税猶予制度の利用についてのお問い合わせが急増しています。
そのため、ブログ更新が3日に一度のペースに落ち込んでいる状況は7月から変わりなく、申し訳ございません。

 

 

【未上場株式の相続税の納税猶予制度を利用するためには担保が必要】

このほど、8/3に国税庁より、「非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予~担保の提供に関するQ&A~」 が公表されました。
未上場株式の相続税の納税猶予の制度を利用するためには、担保を提供しなければなりませんので、その手続きなどが公表されました。

 

 

【会社の株式を担保に提供することが前提?】

公表された内容を見てみますと、「会社の株式を担保に入れることが前提」のような書き方になっています。
その内容を確認してみましても、不動産や国債を担保に入れるよりは、会社の株式を担保に入れた方が使い勝手が良いように思います。

もし、ご自宅を担保に入れても、既に住宅ローンの担保に入っていることが多く、担保価値がないというのが現実的です。
また、国債や地方債などは、将来的に売却をする可能性もあります。
会社の株式ですと一般的には売却をしませんので、やはり会社の株式を担保に入れることが現実的なようです。

 

 

【相続税の納税猶予制度を利用するには時間的余裕がまったくない】

相続税の納税猶予の制度を利用するためには、
・経済産業大臣への認定(相続開始から5ヶ月目から8ヶ月目の間)

・会社の株式を法務局へ供託

・相続税の申告書の提出(相続開始から10ヶ月以内)

という流れになり、時間的な余裕がまったくありません。

ご相談いただくタイミングによっては、相続税の納税猶予制度を利用することができない可能性も出てきます。
相続税の納税猶予制度を利用するには、事前の準備が非常に重要になってきます。
会社経営者様におかれましては、できれば生前から相続税の節税も含めて、顧問税理士にご相談されることをお勧めします。

 

 

【現在ご依頼いただいているお客様へ報告】

以上のような、相続税の納税猶予制度を利用することについてのご注意点を、現在ご依頼いただいているお客様へ今週報告してきます。
今後、担保の申請手続きに加えて、経済産業大臣への認定申請の手続きも同時進行しますので、日程的に非常に厳しくなることが予想されます。
また、遺産分割のお話が進まないと、経済産業大臣への認定の申請もできません。

会社経営者様におかれましては、遺産分割協議について争いが起これば、相続税の納税猶予制度そのものが利用できない可能性もあります。
今後ますます、
・遺産分割による争いを起こさせない
・相続税を納める資金を準備する
などの生前からの相続対策の重要性が増してくるものと思われます。

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