先日、大阪府の方から遺産相続についてのご相談があり、ご自宅に訪問してきました。 なお、家族構成などその他の内容について、実際のものに修正を加えています。
【ご相談内容】
今年になり、母が亡くなりました。 母について、遺産分割の手続きと相続税の申告が必要になります。
5年前に、父が亡くなりましたが、父は相続税を払う必要がなかったので、父についての相続手続きは何もしていませんでした。 ところが、父の相続財産のうち、預貯金や株式などの一部が母の名義に変更されていることがわかりました。
このとき、母に名義変更された財産は、母の相続財産になるのでしょうか?
【まずはお父様の遺産相続の手続きについて確認】
預金や株式などの名義変更がされているということは、金融機関に何らかの名義変更の書類を提出しているはずです。 その提出された書類を確認しないことには、何とも申し上げられませんので、資料の入手をお願いしてきました。
そして、お父様の相続が5年前でしたので、ご相談者様はその当時のことをよく覚えていないご様子でしたので、これから一つ一つ確認する必要があります。
【お父様の遺産分割が終わらないとお母様の相続手続きも終わらない】
お父様の遺産相続についての相続人は、お母様とご相談者様、そしてその御兄弟です。 つまり、お父様の遺産相続の手続きが終わらないと、お母様の相続財産が決まりません。 そのため、お母様の遺産について、相続税の計算もできないことになります。
【お父様の遺産相続について、適正に相続手続きがされていなければ、今から相続手続きをすることに】
もし、お父様の遺産相続について、適正に相続手続きがされていなければ、今から相続の手続きをすることになります。 お母様について、相続税の申告期限がありますので、この確認の作業を早急に行う必要があります。
【遺産相続の手続きは、相続税を払う・払わない関係なく必要です】
「相続税を払わなければ、うちの家庭では相続は関係ない」、このようにお考えの方が多いと思います。 遺産相続は、相続税を払う手続きだけではありません。 相続財産を、法律にしたがって相続人で「分ける」という作業が出てきます。 これを「遺産分割の協議」とい言います。
こちらのご相談事例では、お父様の遺産について、遺産分けをしているかどうかわからないため、お母様の相続手続きが進まないという状態になっています。 そして、当時の相続手続きの状況が不明なため、一つ一つ確認をしていくことになります。
お母様については、相続税の申告が必要なため、相続開始から10ヶ月以内に、相続税の申告と納税を済ませなければなりません。 お母様の相続が開始してから、しばらくして長嶋にご相談をいただいたので、これらを調べる時間がありました。 もし、相続開始から半年後にご相談されていたら、日程的に相続税の申告期限に間に合わないということになっていたと思います。
遺産相続の手続きは、その都度その都度終わらせておくことが、後々のトラブルを防ぐことになると思います。
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