相続税の相談、遺産相続の相談は相続税専門の長嶋佳明税理士事務所へ。兵庫県芦屋市・西宮市・神戸市に対応しています。

先日、次のような遺産相続に関するご相談がありましたのでご紹介します。
なお、家族構成などその他の内容について、実際のものに修正を加えています。

【家族構成】

・相談者（Ａさん、専業主婦）
・夫（会社員）
・子供2人（中学生と小学生）

【ご相談内容】

昨年、私（ご相談者Ａさん）の父が亡くなりました。
相続人は私（ご相談者Ａさん）と兄弟姉妹が3人の計4人です。
遺産相続による遺産分けがまとまらず、相続人の間で金銭のやり取りで解決することになりました。
そのため、私（ご相談者Ａさん）は兄弟姉妹に総額5000万円ほど（分割払いのため利息も含みます）支払うことになりました。
今後20年間、毎年200万円ほど兄弟姉妹へ現金を支払い、残り1000万円ほどは夫の退職金で一括返済することで合意しました。
相続後の私たち家族の生活が金銭面で心配です。

  【ご相談者Ａさんご家族は今後どんな生活をされたいのか？】

ご相談者Ａさんに、
・老後はどんな生活をされたいのか？
・お子様をどんな学校に進学させたいのか？
など、希望されていることをすべてお聞きしました。
そのご希望されていることが、現状の生活スタイルで実現することができるのかを試算してみました。

【今後の生活で金銭的に心配なこと】

ご相談者Ａさんにご希望をお聞きすると、次のような心配が想定されました。
・ご相談者Ａさんご夫婦の老後の生活
兄弟姉妹に支払う5000万円のうち、残り1000万円は夫の退職金で一括返済です。
老後の生活費に使えるお金としては、年金・退職金がメインになりますが、その退職金がほとんど残りません。

・老後に入院などの高額の出費があったとき、対応できない
老後のまとまった出費に備えて、退職金に手を付けない方が多いと思います。
ご相談者Ａさんの場合、退職金がほとんど残りませんので、老後の入院などの高額出費に対応できません。

・お子様お二人が進学するための学費
お子様はお二人いらっしゃいます。
今後お子様は中学・高校・大学と進学されますが、学費の準備ができるのでしょうか。

【今後20年間の生活はやっていけるのか？】

ご相談者Ａさんのご家庭は、比較的収入が多いので、兄弟姉妹へ年間200万円はなんとか支払うことができます。
ただ、その200万円はお子様たちのため将来の学費の積立のために貯金をしていたものです。
生活をするには問題はないですが、学費の準備ができないという問題が出てきました。

【老後の生活はやっていけるのか？】

ご相談者Ａさんと夫の、老後の収入となる年金や財形貯蓄などを整理していきました。
・いつから
・いつまで
・いくら受け取ることができるのか

また、
・温泉旅行に行きたい
などの趣味のご希望も問題なくできるのかを試算しました。

年金と財形貯蓄などの収入だけで、老後の生活は問題なくできることがわかりました。
「安心して温泉旅行してください」とご相談者Ａさんにお伝えしました。

【問題はお子様の学費の準備】

・今後20年間の生活
・老後の生活
は問題ありませんでした。

大きな問題はお子様の学費を準備できるのか？ということです。
ご相談者Ａさんは、相談当初は「老後の生活が心配だ」とおっしゃっていたので、老後の生活費よりもお子様の学費が不足することがわかると「そうなの？」と意外だったような顔をされていました。

【お子様の学費の準備をどうするのか？】

考えられる方法をいくつかご提案させていただきました。
ご相談者Ａさんとしては「親心として、子供の学費くらいは親が準備してあげたい」とおっしゃっていたので、教育ローンという選択肢は消えました。
学資（こども）保険は利率が悪いので、根本的な解決にはなりません。
投資信託などで投資をして資金を増やすことも考えられますが、ご相談者Ａさんは「今の経済が不安定なので積極的に投資をする気にはなれない」とおっしゃっていました。

それではどうすれば良いのでしょうか・・・

【ご相談者Ａさんは晴々とした顔で帰られました】

ご相談者Ａさんは、長嶋の提案した内容に満足をしていただけたようで、晴々とした顔で「ありがとうございました」という言葉を残して帰られました。

【相続税を知っているだけではご相談者のお悩みは解決できません】

遺産相続が起こった方にとっては、
・遺産分け
・相続税
など、相続が起こった現在だけに悩まれているわけではありません。

ご相談事例のように、相続後の生活が心配な方もおられます。
長嶋事務所では、相続後の生活までしっかりとお手伝いしていきます。