【ご質問】
相続税が改正され、相続税が増税になることを知りました。
そこで、今から相続税の節税をしようと父と話をしたところ、生前贈与をすることになりました。
父は賃貸不動産をいくつか持っており、顧問の税理士さんがいます。
生前贈与について顧問の税理士さんに相談したのですが「調べておく」と言われ3ヶ月が過ぎました。
私たち家族は、顧問の税理士さんは相続税や贈与税のことを知らないのではないか?と思うようになりました。
このまま放っておいても仕方がないので、相続税や贈与税の専門の税理士さんを探していたところ、長嶋さんのホームページを見つけました。
ここで、生前贈与について質問させてください。
生前贈与をするとき、どのようなことに気をつければよいでしょうか?
【税理士長嶋の回答】
生前贈与を検討されるときは必ず贈与税の問題が出てきます、この問題をどのようにクリアするのか?
また、どれくらいの時間をかけて、誰にどの財産を贈与する計画なのか?
つまり、家族としてどうされたいのかが最も重要で、その方法論は重要ではありません。
【生前贈与を具体的にどのように進めたいとお考えなのか?】
相続税の節税として生前贈与を検討されているとのことですので、相続税が改正されることで相続税がかかるご家庭になるのだと思います。
生前贈与を検討するときは、具体的に家族としてどのようにされたいのか?がポイントになります。
例えば、
・誰に対して生前贈与をするのか?
・どれくらいの時間をかけて生前贈与をするのか
・どれくらいの金額を生前贈与されるのか
・贈与税を払ってもよいのか
・贈与税の申告をするのは現金などを贈与された側の方ですが、申告手続きが面倒と思うかどうか
などです。
【生前贈与の方向性を決めるには?】
贈与税は、財産をもらった方が払います。
贈与税の計算は、次の算式で行います。
(もらった財産の金額-110万円)×税率=贈与税
贈与税は、1月1日から12月31日までにもらった財産に対して、一年間110万円までは非課税となります。
単純に、贈与税を払いたくなければ毎年100万円贈与するということも考えられます。
また、生前贈与したい金額の総額が1000万円であるとき、一年間100万円贈与すると10年かかるという「期間」が決まることになります。
ここで問題になるのは、10年という期間が良いのかどうかです。
10年が長いと感じられるのか短いと感じられるのか、もしお父様の健康状態が悪くなったとすると10年という期間は長いと感じられるのではないでしょうか。
【贈与税を払ってでも生前贈与を進めると有利なとき】
贈与税を払ってでも、早く多くの金額を贈与したいとお考えになられるご家庭もあるはずです。
このときは、具体的に贈与税の試算が必要になると思います。
次の2つを比べることで、生前贈与を実行したほうが良いのかどうかという判断ができると思います。
(1)生前贈与をすることで節税となる相続税
(2)生前贈与をすることで払うことになる贈与税
贈与税を払ったとしても、それ以上に相続税の節税になるのであれば、その生前贈与は実行すべきという決断になるのではないでしょうか。
【相続税参考ブログ】
・相続税対策に活用する生前贈与