このほど、平成21年度の与党税制改正大綱が決定されました。 この案をベースに来年3月の国会で税制改正が行われる予定です。 昨年と同様、民主党の動きによっては修正されますので、現時点ではまだ参考程度の位置づけとなります。 長嶋ブログでは、項目を絞りましてご紹介していきたいと思います。
生命保険料控除の見直し、介護保険料控除を創設
【制度の概要】
所得税の生命保険料控除について、一般生命保険料控除とは別枠で介護保険料控除が創設され、所得控除枠は4万円となります。 住民税の生命保険料控除について、一般生命保険料控除とは別枠で介護保険料控除が創設され、所得控除枠は2万8000円となります。
【具体的な内容】
(1)所得税の生命保険料控除
平成24年1月から、一般生命保険料控除及び個人年金生命保険料控除の上限額を、それぞれ5万円から4万円に引き下げます(所得税の増税)。 その代わりに、介護保険・医療保険について、一般の生命保険料控除とは別枠で4万円の所得控除を創設します(所得税の減税)。 生命保険について、3つの所得控除枠とされ、それぞれの合計は12万円となり、総額では2万円の所得控除枠の拡充(所得税減税)です。
(2)住民税の生命保険料控除
平成25年1月から、一般生命保険料控除及び個人年金生命保険料控除の上限額を、それぞれ3万5000円から2万8000円に引き下げます(住民税の増税)。 その代わりに、介護保険・医療保険について、一般の生命保険料控除とは別枠で2万8000円の所得控除を創設します(住民税の減税)。 生命保険について、3つの所得控除枠とされ、それぞれの合計は8万4000円となりますが、所得控除の上限額は7万円とされます。 住民税については、所得控除の上限額は現在の7万円と変わらないことから、増税でもなく減税でもなく、現状維持となります。
【制度導入後に契約した生命保険に限られます】
この制度導入前に契約した生命保険については、現在の所得税の制度が適用されます。 つまり、この減税制度はこの制度導入後に契約した生命保険に限られますのでご注意ください。 具体的な法整備は、平成22年度税制改正で行われます。
したがいまして、平成24年以降、生命保険のセールスが激しくなることが予想されます。 「保険を解約しましょう、今加入された方が節税になります」などの営業トークが多発することが予想されます。 生命保険は契約時の年齢で保険料が決まります。 節税効果よりも、支払う保険料が多くなることも考えられます。 生命保険を見直す際には、十分にご注意ください。
【介護保険・医療保険は国民が確保しなければならない!?】
介護保険・医療保険について、別枠での所得控除を認めるという国民には減税の改正となりますので、喜ばしいことです。 ただ、裏を返せば「国は国民の面倒をみません」という意思表示とも考えられます。 将来の介護保険・健康保険制度の縮小への準備かもしれません。 減税のすべてが良いとは限らない事例となる予感がします・・・
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