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【遺産相続税相談】海外相続財産の申告漏れ過去最多(国税庁)

  • 2008/12/19

平成19年度の相続税の申告書の提出状況、相続税の税務調査についての状況が国税庁より発表 されました。

 

 

【海外から国内への送金について、税務署は把握をしています】

産経新聞の記事に書かれているような「海外の遺産を国内に送金」する場合でも、税務署は海外から国内の金融機関へ振り込まれた事実を把握しています。
税務署への書類提出義務が生じない200万円以下の送金にしても、必ず相続財産の申告漏れは指摘されます。

 

 

【国内から海外への送金は税務署は把握をしているのか?】

逆に、国内から海外の金融機関への送金の事実も税務署は把握しているのか?ということですが、もちろんのこと税務署は把握をしています。
海外に相続財産を移しても税務署は海外に相続財産があることを把握していますので、税務調査において相続財産の申告漏れが指摘されてもおかしくありません。

 

 

【なぜ税務署は送金の事実を把握できるのか?】

日本の金融機関は、税務署からの依頼があれば、被相続人の預金口座の情報を開示しなければなりません。
日本の金融機関と税務署の間では「個人情報保護」という考え方はありません。
したがいまして、
・海外から国内の金融機関への送金について、着金の履歴が税務署へ開示されます
・国内から海外の金融機関への送金についても、送金の履歴が開示されます

 

 

【海外金融機関の口座開設を斡旋するFP(ファイナンシャルプランナー)にご注意】

海外金融機関の口座開設(プライベートバンクなど)を斡旋しているFP(ファイナンシャルプランナー)やコンサルタントの一部の方には、「海外に相続財産を移せばバレません」などと平気でおっしゃる方がおられると聞いています。
明らかに脱税を勧めていますので、これらの方の言葉にはご注意ください。

 

 

【長嶋がプライベートバンクを勧める理由】

長嶋ブログでたびたびご紹介している「プライベートバンク利用のススメ」 ですが、このように相続税の脱税に使うのではなく、資産運用(資産を増やす)や資産保全(資産を減らさない)の一つの手段として有効だと思っています。
相続税の申告をすべきものはしっかりとして、資産の運用益で資産の運用・保全に役立てていただきたいと思っています。

 


 

(産経新聞12/16 )
海外遺産の申告漏れ、過去最多の308億円 国税庁調べ

今年6月までの1年間(平成19事務年度)に相続税の税務調査で見つかった遺産の申告漏れのうち、海外資産に関するものが総額308億円と前年度の2倍以上に及び、過去最多となることが国税庁のまとめで分かった。巨額の申告漏れが相次いで見つかったことが急増の原因だが、海外まで調査は及ばないだろうと高をくくり、資産を隠蔽(いんぺい)するケースが後を絶たないようだ。
海外資産に関しては、前年度より約12%多い407件の税務調査を行い、334件で申告漏れが見つかった。うち悪質な所得隠しと認定され、重加算税を課させたものは42件あった。
悪質な事案では、元会社員が生前に海外に保有していた不動産や預金などを遺族が隠蔽、計13億400万円の遺産隠しを指摘され、5億2300万円を追徴されたケースがあった。
また、遺族が海外の遺産を国内に送金する際、1回の送金額を金融機関から税務署への書類の提出義務が生じない200万円以下に抑えて送り発覚を逃れようとしたり、相続人が生前に「海外預金は申告するな」などと遺族に指示をしていたケースもあったという。
国内資産も含めた遺産の申告漏れ総額は4119億円だった。

 


 

国税庁発表の主なデータ

 

【相続税の申告の状況】

・相続税の課税対象となった被相続人は約4万7千人で、被相続人全体に占める割合(課税割合)は4.2%となり、平成6年以降での最低水準となっています(平成16年以降4年連続)。
・相続税の課税対象となった財産価格(課税価格)は10兆6,216億円、税額は1兆2,634億円で、前年よりやや増加しています。
・相続財産の金額の構成比は、土地が47.8%、現金・預貯金等が20.5%、有価証券が15.8%となっており、2年連続で土地の構成比が50%を下回っています。

 

【相続税の税務調査の状況】

・相続税の税務調査を行った13,845件のうち、85.8%で申告漏れが把握されました。
・相続財産の申告漏れ課税価格は4,119億円、追徴税額は941億円で、前年よりやや増加しています。
・相続財産で申告漏れのあった相続財産の金額の内訳は、現金・預貯金等が1,517億円と最も多く、高水準で推移しています。
・海外資産関連事案に係る相続財産の申告漏れ課税価格は308億円で、前年の148億円を大きく上回り、過去最高となっています。

 

【主な相続財産の申告漏れの事例】

相続財産の申告漏れの態様は、預貯金等の申告漏れや土地や株式等の評価誤りなど様々ですが、財産を隠ぺいするなどの悪質なケースとしては、以下のような事例が見受けられました。

・現金や金地金等を自宅や貸金庫等に隠匿して申告から除外
・被相続人の住所から遠隔地の金融機関の預金や不動産等を申告から除外
・財産の所在が海外であることを悪用して申告から除外   等

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