第3回の日本税理士会連合会と財務省主税局との意見交換会 では、第2回の意見交換会 での議案をベースに3点修正されています。 (1)相続税の税額計算の基本的な仕組み (2)相続税の申告期限までに遺産の分割ができなかったときの相続税の申告について (3)養子について
この修正点だけを抜き出して、解説を進めてまいります。
(3)養子について
【第2回意見交換会議案 】
相続税の計算方法を見直した場合には、養子が実際に相続財産を取得したときにはじめて相続税の非課税枠(5000万円+1000万円×法定相続人の数)の増加や相続税の税率区分が下がるなどの効果が出ることになるので、相続税の計算をするときは、養子と被相続人の実の子供を同じ扱いにしてはどうか。 しかしながら、相続財産がまだ分割されていない場合に相続税の申告のときには、現在の相続税法と同じく、養子については、相続税の計算のときに ・被相続人に実の子供がいるとき→養子1人まで ・被相続人に実の子供がいないとき→養子2人まで を法定相続人の数にカウントして相続税を計算し、例えば次のような計算方法で各相続人について相続税を計算してはどうか。
(1)養子の数を制限した仮の各相続人の相続税を計算して、それを合計した金額を「相続税の総額」とする。 (2)(1)により計算した「相続税の総額」をすべての養子を含めた実際の各相続人の法定相続分で按分する。
【第3回意見交換会議案】
相続税の計算方法を見直した場合に、養子が実際に相続財産を取得してはじめて、相続税の非課税枠が増えることや、相続税の税率が下がることを考えると、基本的には相続税の計算をするときには、養子と実の子供を同じ扱いにします。
【現在の相続税法と何が違うのか?】
現在の相続税法では、養子が実際に相続財産を取得するかどうかに関係なく、相続税の非課税枠が増え、相続税の税率が下がる効果があります。 相続税の計算方法を見直したときには、養子が実際に相続財産を取得したときに、相続税の非課税枠が増え、相続税の税率が下がることになります。このため、現在の相続税法よりも増税になる可能性が高いです。
【今まで相続税に関係なかった方も相続税を払うことに】
相続税が増税になりますと、今まで相続税を払う必要のなかった方も相続税を払うことになります。相続税の計算方法が見直されることにより、相続税は誰でも払う身近な税金になる可能性が高いです。今後の相続税法改正の動きにご注目ください。
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