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相続税の税額計算の基本的な仕組み:生命保険金・退職金の相続税の非課税

  • 2008/08/23

相続税の税額計算の基本的な仕組みについて、日本税理士会連合会と財務省主税局との意見交換 では次の5つが行われています。
(イ)相続税の非課税枠
(ロ)被相続人との血縁関係により、相続税の非課税枠や相続税の税率を定める
(ハ)配偶者の相続税の非課税枠
(ニ)生命保険金・退職金の相続税の非課税枠
(ホ)小規模宅地(住宅や事業用の土地)や農地に対する相続税の優遇制度

このうち、「(ニ)生命保険金・退職金の相続税の非課税枠」について、今後の方向性を紐解いてみます。

 

(ニ)生命保険金・退職金の相続税の非課税枠

 

【現在の相続税法】

(1)遺産総額から相続税の非課税枠として控除することにより、相続税の負担を軽くしている
(2)相続税の非課税枠=500万円×法定相続人の数

 

 

【現在の相続税法の問題点】

(1)相続税の課税方法を見直した場合の生命保険金・死亡退職金の相続税の負担軽減をどのように考えるべきか。
・現在の相続税法では「一族」で相続税の計算をすることになっているが、相続税改正の方向性は「相続財産を取得した各個人ごと」に相続税を計算することになるため、生命保険金・死亡退職金の優遇制度は今のままでよいのか・・・

 

 

【相続税改正の方向性】

(1)生命保険金・死亡退職金の相続税の負担軽減は、相続税の非課税枠(5000万円+1000万円×法定相続人の数)と同じ考え方でよいのではないか。
・相続税の非課税枠の考え方と同じ考え方とは、生命保険金・死亡退職金を取得した相続人各個人について、それぞれ取得した生命保険金・死亡退職金から非課税枠を差し引くという考え方です。
相続税の計算をするとき、
・今までの方法→遺産の総額-相続税の非課税枠
・改正の方向性→相続人各個人が取得した生命保険金・死亡退職金-相続税の非課税枠

に変わるということです。
相続人各個人に非課税枠が設けられますので、
取得した生命保険金・死亡退職金の金額<相続税の非課税枠の金額
のときは、相続税の非課税枠を使い切ることができず、相続税を余分に納めることにならないよう注意が必要のようです。

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