スイスにある銀行はすべてプライベートバンクというわけではありません。
スイス銀行協会の発表によると、2005年現在337の銀行がスイス国内にあります。 そのうちプライベートバンクと呼ばれるものは14行です。 その他の300余りの銀行は、大手銀行・多国籍銀行と呼ばれ、プライベートバンクとは明確に区別されています。
つまり、富裕層向けの業務(プライベートバンキング)を行っている銀行は次の2つに分けることができます。 (1)伝統的な老舗の「プライベートバンク」 (2)大手金融機関の「プライベートバンキング部門」
(1)伝統的な老舗の「プライベートバンク」
スイスでプライベートバンクと名乗るには、「プライベートバンカーズ協会」に加盟していることが条件となります。 プライベートバンカーズ協会に加盟している銀行は、18世紀に創設された銀行が多く、150~200年の歴史がある由緒ある銀行ばかりです。
このプライベートバンクの特徴は、オーナー一族の財産を出資して創設された無限責任の銀行です。 経営に失敗すれば、オーナー自身が私財を投入して損失を補います。 オーナーにとっては自身が破産してしまう可能性もあるため、リスクの高い業務には手を出しません。 サブプライム問題では、大手金融機関であるUBSは4兆円規模 、クレディスイスは1兆円規模 の損失を出しています。 こういったことからも「安心して任せられる金融機関」であると思います。
(2)大手金融機関の「プライベートバンキング部門」
UBSやクレディスイスなどの大手金融機関は、プライベートバンカーズ協会に加盟していないため、こちらのグループに属します。 これらの大手金融機関は株式会社ですので、投資家から資金を集めて利益を追求し、投資家に配当を分配することが求められます。 また、株式会社であることから出資金額の範囲内で損失を負担すればよい有限責任でもあります。 ここが、伝統的な老舗のプライベートバンクとは大きく異なる点です。
※今までのブログではプライベートバンクとプライベートバンキングを混同して使っている場面もあります。 皆様のわかりやすさを優先した結果であることを申し添えます。
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