国税庁より、「平成19年度査察(マルサ)の概要 」が公表されました。
相続税に関するデータは次のとおりです。
<税目別の件数>
税目 | 件数(件) | 割合(%) |
所得税 | 57 | 36 |
法人税 | 62 | 39 |
相続税 | 4 | 3 |
消費税 | 30 | 19 |
源泉所得税 | 5 | 3 |
計 | 158 | 100 |
相続税は4件、全体の3%程度を占めているようです。
<税目別の脱税額>
税目 | 脱税額(百万円) | 割合(%) |
所得税 | 9353 | 30 |
法人税 | 8054 | 26 |
相続税 | 8217 | 27 |
消費税 | 4369 | 14 |
源泉所得税 | 895 | 3 |
計 | 30888 | 100 |
相続税は82億1700万円、全体の27%程度を占めているようです。
相続税の脱税の件数は全体の3%程度にすぎませんが、脱税額でみると27%を占め、1件当たりの脱税額はかなりの高額となったようです。
【そもそも脱税とは?】
脱税とは、単純に「払うべき税金を払わない」ということだと思います。
その払わない税金が「悪質・高額」だと税務署に判断されれば、相続税法などの違反容疑で起訴されてしまいます。
【そもそも脱税は違法なのか!?】
プライベートバンクでおなじみのスイス。
スイスでは、脱税を次の2つに区別をしています。
(1)積極的脱税・・・書類の偽造などがされる脱税
(2)消極的脱税・・・申告をしない・申告漏れによる脱税
日本のように刑事罰となるのは(1)の積極的脱税だけです。
(2)の消極的脱税は、駐車違反の反則金と同じく行政罰となるだけです。
スイスでは、金融機関に預けられたお金が脱税によるお金だとしても、脱税が違法でなければ処罰できません。
また、違法なことをしていない預金者の情報を日本などの外国にお知らせする必要もありません。
このように一口に「脱税」といっても、「何をもって脱税というのか?」は各国それぞれ違うということです。
【もしもスイスの考え方が日本にあったとしたら?】
相続税の税務調査で指摘される大半は「申告漏れ」です。
つまり、相続財産の中に含めていなかったという脱税です。
この類の脱税は(2)の消極的脱税となりますので、刑事罰とはなりません。
また、金融機関は預金者が違法な脱税をしているわけではありませんので、預金者の情報を税務署に教える必要がありません。
このようなことから、「スイスの銀行は秘匿性が高い」と言われるゆえんです。
※一般的にスイスの銀行は「スイス銀行」と言われますが、「スイス銀行」という名前の銀行はありません。
スイスの法律に従う銀行は、先のお話のような高度な秘匿性を持っています。
具体的には、UBS・クレディスイスなどの銀行を言いますが、このUBS・クレディスイスの東京支店は日本の金融庁の認可を受けていますので「日本の銀行」です。
つまり、預金者の情報が税務署に流れます・・・
このようなことから、スイス本国の銀行に直接口座を開いている方のみが「スイス銀行(プライベートバンク)を利用している」と言えると思います。
【世界の富裕層がプライベートバンクを利用する理由】
このような高度な秘匿性を持っているからだと思います。
日本には「個人情報保護法」なる法律がありますが、銀行から税務署へ預金者の情報が流れます。
このようなことから、日本には本当の意味での「個人情報の保護は存在しない」とご理解いただけたらと思います。
【プライベートバンクに口座を開くには?】
銀行によって預金残高が異なります。
5億円・1億円・5000万円・3000万円など様々です。
プライベートバンクにご興味のある方がおられましたら、担当者をご紹介させていただきます。
【脱税をススメているわけではありません】
念のため申し添えますが、長嶋は脱税をススメているわけではありません。
「世の中にはこういうもの・考え方があります」というご紹介です。
誤解なきようお願いいたします。