先日、相続税の税務調査についてお客様からご相談がありました。
相続税の申告をされたのが2年前、このたび顧問の税理士さんから税務調査の連絡があったそうです。
詳しくお話を伺うと、お客様は税理士さんに不信感を持っているようでした。
なぜ今頃になってこのようなことになるのか?と何度もおっしゃっていました。
【相続税の申告を税理士が行っていないようだ】
お客様から伺ったお話から感じたことは、どうやら税理士さんが相続税の申告に関わっていないようです。
(1)2年前に相続税の申告書を作成した担当者(職員)が退職し、その当時を知る者がいない。
(2)新しい担当者は、なぜこのような相続税の申告内容にしたのですか?と逆に聞いてくる。
このようなことから、税理士さんは申告書のチェックもせずに単にハンコを押しただけということが想像できます。
お客様をはじめ、一般の方は税金については詳しくありません。
そのために税理士を雇っているのです。
それが、税理士事務所側から「なぜこのような内容にしたのか」と言われても納得がいかないのは当たり前のことでしょう。
【父の代からの古い付き合いが落とし穴】
相続税の税務調査のご相談をいただくお客様の多くは、お父様やお母様の代からお付き合いのある顧問の税理士さんです。
「古い付き合いだから信頼していた」と必ずみなさんおっしゃいます。
こちらのお客様も同じことをおっしゃっていました。
古い付き合いですので「家」のことをよくわかっていただいているという点で、顧問の税理士さんを信頼されているというのはよくわかります。
ただ、古い付き合いだからといって顧問税理士さんが相続税のことをよくご存じであるかどうかは別のお話です。
【顧問税理士さんがどの税金が得意でどの税金が不得意なのかを知る】
顧問の税理士さんとは古い付き合いである、という義理人情はとても大事なことです。
ただ、相続税の税務調査により申告漏れの財産が見つかれば、相続税が追徴されるだけではなく延滞税なども発生します。
この追徴される相続税や延滞税を払うのは、相続されたご家族です。
ご家族にとって「家の財産を守ること」と「顧問税理士さんとの義理人情を守る」ことでは、どちらが大事でしょうか。
顧問の税理士さんが取り返しのつかない失敗をしたとしても、古い付き合いだからといって許せるものでしょうか。
ときには、古い付き合いだからこそ断るという勇気も必要かもしれません。
顧問税理士さんが相続税のことをよくご存じであれば何も問題はありません。
ここで大事なことは、古い付き合いの顧問税理士さんがどの税金が得意でどの税金が不得意なのかを、ご家族が知っているかどうかということです。
【相続税の申告書を誰が作成するのかを確認する】
相続税の申告を税理士にお願いする場合、誰が作成するのかを確認することも大事だと思います。
税理士事務所の業界は、人の動きがとても激しいです。
3年同じ事務所にいれば「長く勤務している」と業界では認識します。
そのため、いつ辞めるかわからない職員が申告書を作るのか?
それとも、税理士さんが直接作成してくれるのか?を確認してみるのも必要かもしれません。
【相続税参考ブログ】