会社の後継者は、経済産業大臣の確認を受けることができます。
(経済産業大臣の確認)
第七条 第四条第一項の規定による合意(前二条の規定による合意をした場合にあっては、同項及び前二条の規定による合意。以下この条において同じ。)をした後継者は、次の各号のいずれにも該当することについて、経済産業大臣の確認を受けることができる。
一 当該合意が当該特例中小企業者の経営の承継の円滑化を図るためにされたものであること。
二 申請をした者が当該合意をした日において後継者であったこと。
三 当該合意をした日において、当該後継者が所有する当該特例中小企業者の株式等のうち当該合意の対象とした株式等を除いたものに係る議決権の数が総株主又は総社員の議決権の百分の五十以下の数であったこと。
四 第四条第三項の規定による合意をしていること。
【解説】
会社の株式を遺留分を計算するときの財産に含めないとすることを合意した会社の後継者は、次のすべてに該当することについて、経済産業大臣の確認を受けることができます。
1.その合意が、中小企業の経営の承継を円滑に行うためにされたこと
2.経済産業大臣の確認を受けるよう申請をした者が、その合意の日に会社の後継者であること
3.その合意をした日に、会社の後継者が持っているその会社の株式のうち、その合意をした株式以外の議決権が50/100以下であること
4.会社の後継者が会社の経営を辞めてしまったとき、会社の後継者はそのほかの相続人への対応策を書面に合意していること
2 前項の確認の申請は、経済産業省令で定めるところにより、第四条第一項の規定による合意をした日から一月以内に、次に掲げる書類を添付した申請書を経済産業大臣に提出してしなければならない。
一 当該合意の当事者の全員の署名又は記名押印のある次に掲げる書面
イ 当該合意に関する書面
ロ 当該合意の当事者の全員が当該特例中小企業者の経営の承継の円滑化を図るために当該合意をした旨の記載がある書面
二 第四条第一項第二号に掲げる内容の定めをした場合においては、同号に規定する証明を記載した書面
三 前二号に掲げるもののほか、経済産業省令で定める書類
【解説】
経済産業大臣への確認の申請は、経済産業省令で定めるところにより、会社の株式を遺留分を計算するときの財産に含めないことを合意した日から一ヶ月以内に、次の書類を添付して経済産業大臣に提出しなければならない。
一.その合意をした相続人全員の署名または記名押印のある次の書面
イ.その合意をした書面
ロ.その合意をした相続人全員が、会社の経営の承継を円滑に行うために合意をしたことが記載されている書面
二.会社の株式がいくらであるかについて、弁護士・公認会計士・税理士などの専門家が証明した書面
三.経済産業省令で定める書類
3 第四条第一項の規定による合意をした後継者が死亡したときは、その相続人は、第一項の確認を受けることができない。
【解説】
会社の株式を遺留分を計算するときの財産に含めないと合意をした会社の後継者が死亡したときは、その相続人は、経済産業大臣の確認を受けることができない。
つまり、会社後継者が亡くなったときは、その配偶者(夫または妻)や子供は、この制度を利用して会社の経営権を握ることはできないということです。
あくまで、この法律は先代社長が指名した後継者のみが使える制度のようです。
したがいまして、会社の承継をお考えのみなさまは、早い段階から会社の後継者を指名しておくことが望ましいと言えそうです。
4 経済産業大臣は、第一項の確認を受けた者について、偽りその他不正の手段によりその確認を受けたことが判明したときは、その確認を取り消すことができる。
【解説】
経済産業大臣は、その確認を受けた会社の後継者について、偽りその他の不正行為により確認を受けたときは、その確認を取り消すことができます。