先日、東日本大震災で親族が被災された方から遺産相続のご相談がありました。
東日本大震災から一年が過ぎようとしています。 あれから一年という時間が流れたこともあり、ようやく遺産相続のことを考える気持ちになったとのご相談者のお話でした。
詳しいお話を伺うと、遺産相続をどのようにすればよいのかを悩まれていました。
【遺産相続で土地の価値をどう考えればよいのか?】
ご相談者が悩まれていたのは、土地をどのように分けるのか?ということでした。 税理士長嶋は、具体的に何を悩まれているのかを質問してみました。
すると、土地の価値をどのように考えればよいのか、を悩まれていました。
東日本大震災の直前に、親族が所有していた土地の周辺で土地の売買が行われたそうです。 取引価格にして数千万円、駅前ということもあり資産価値もそれなりにあったとのお話でした。
ところが、東日本大震災が発生。 震災の前と後では、当然のことながら土地の価値は異なります。 現実問題として、現在では誰も買い手はいないでしょう。
ここで問題となるのは、土地の価値をいつの時点で判断するのか?ということです。
【相続財産の評価は遺産相続のときの時価で判断する】
遺産相続をするときの相続財産は、遺産相続を行うときの時価で判断することになっています。 これに対して、相続税を計算するときは、相続があったときの時価で判断することになっています。
つまり、震災前の取引価格ではなく震災後の現在の時価で土地の価値を判断することになります。
【震災で数千万円の価値が失われた】
震災前であれば、土地の周辺では数千万円で取引がされていた。 ところが、震災が発生したことで、事実上土地の売買が停止されています。 つまり、震災により土地の価値(資産価値)が数千万円失われたことになります。
確かに、土地の現在の価値はゼロかもしれません。 今後、土地の価値が上がるかもしれません。 それは数十年後かもしれません。
この先どのようになるのかわからない状態で、将来もしも土地が値上がりしたときのことを考えて「今」遺産相続を考えるのは非常に難しい問題です。 この問題は、相続人の間で話し合うことしか解決方法はないのではないでしょうか。
【このような相談を受けることも社会貢献】
この相談は、税理士長嶋に直接電話をいただき、税理士長嶋がお話したものです。 税理士長嶋のホームページに震災関連の記事がブログに掲載されていたので、詳しい話をしてくれるのではないかということでした。
東日本大震災に対する支援の仕方はいろんな形があると思いますが、税理士長嶋はこのような方法も一つの支援と考えています。 今後もこのようなご相談を通じて、少しでも社会貢献になれば嬉しく思います。
【東日本大震災関連ブログ】
・東日本大震災による路線価の減額調整【遺産相続税情報】(2011/11/05)
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