相続税訴訟の判決が、佐賀地裁でありました。
結果は国が敗訴になりましたが、個人的に引っかかることがあります。
情報が本当に少ないので、確かなことは申し上げられませんが、長嶋が想像する範囲内で思うところです。
【なぜこの争点で訴訟になったのか?】
税務署の主張は「主として住んでいた宅地に限られる」としています。
小規模宅地の評価減の特例が記載されている「租税特別措置法」を読めば、実際に住んでいないケースもこの小規模宅地の評価減の特例が適用されることはわかります。
なぜ、訴訟までになったのか?
【納税者が裁判を起こすまでの流れ】
納税者が税務署の言い分に不満があるときは「不服申し立て」という制度を利用することができます。
納税者は、税務署からの通知を受けた日から2ヶ月以内に、国税不服審判所に対して、審査請求をすることができます。
この国税不服審判所の判断に不満があれば、納税者は裁判所へ訴えるという流れになります。
【税務署は負ける裁判はしません!】
税務署が裁判で負けてしまうと、面子が丸つぶれです。
裁判になれば新聞などで報道されてしまいます。
そんなことから、税務署が裁判で負けそうな事案は、国税不服審判所の担当官は納税者の主張を認め、税務署の判断を取り下げるよう指導することがあります。
すなわち、税務署が裁判で負けることは一大事なのです。
この争点ですと、税務署は裁判をしても負ける可能性があるのに、どうして裁判までになってしまったのか・・・
今後の動向に注目です。
( 毎日新聞5/3) 相続税訴訟:特例不適用は違法 佐賀地裁、国に処分取り消し命令 /佐賀
佐賀市に住む女性らが、05年6月に佐賀税務署が行った相続税更正処分の一部取り消しを求めた民事裁判の判決が2日、佐賀地裁であった。神山隆一裁判長は原告側の訴えを認め、処分取り消しを言い渡した。 原告は亡くなった親から相続した宅地について、「租税特別措置法の適用対象」と訴えていたが、被告の国は「特別措置法の適用は、主として住んでいた宅地に限られる」などとして、特例の適用対象外と主張。佐賀税務署の処分は妥当だったと反論していた。 神山裁判長は「本件宅地は特例(上)の宅地にあたり、特例を適用しなかったのは違法」などとして、国に処分の取り消しを命じた。【高芝菜穂子】
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