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相続専門FPの税理士長嶋佳明が語る『お金』事情

【セミナー考察】コンプライアンス=法令遵守?

  • 2008/04/25

今週、お会いさせていただいたお客様。

社員のインサイダー取引で世間を騒がせている、野村證券の渡部賢一社長と親交のある方でした。
「4/1に社長に就任したばかりなのに大変なことになったものだ」とお話をされていました。
社長に就任してまだ3週間くらいの出来事、ちょうど社員3名が逮捕されたと新聞紙上に掲載された日でした。

こうした世間話の中で、長嶋が3月に参加したセミナーで講師の方が話していたことを思い出しました。
「コンプライアンス=法令遵守」なのか!?
ということです。

世間一般には「コンプライアンス=法令遵守」と解釈されています。
本当にその解釈でいいのか?という疑問を投げかけていました。

セミナー講師曰く「コンプライアンス=倫理」である。
法令を守るのは、当たり前。

法令よりももっと高いレベルの倫理・道徳・モラルといったものを高めることが「コンプライアンス」なのだと。

要するに、人間としての品位・品格を高めなければならないということだと思います。

 

「コンプライアンス=法令遵守」について、こんな事例を話してくださいました。
某生命保険会社にて、コンプライアンス室という部署が作られたそうです。
その名の通り、コンプライアンス(法令遵守)を推進するための専門の部署です。

そのコンプライアンス室で最初に行われた最初の研修が「保険業法」の勉強だったそうです。
保険業法とは、保険会社・保険代理店など生命保険を扱うすべての方が従う法律です。

某生命保険会社に関係する外国人の方(役員だったか株主だったか、私の記憶が定かではないので申し訳ないです)が研修の視察に来ていたそうです。
その研修のテーマが「保険業法」だったことに、ビックリしたそうです。
そして、コンプライアンス室の室長にこんな言葉を投げたそうです。
「きみたちは、なぜ保険業法の勉強をしているのか?保険業法の勉強は新入社員研修で勉強しているハズです。保険業法を知らずに今まで仕事をしてきたのですか?」
それから数日後・・・

コンプライアンス室の室長はクビになったそうです。

そのセミナー講師は、保険の業界で仕事をしている方ではありませんが、この話は業界では結構有名であるとおっしゃっていました。
外国と日本の認識が違うんだということを教えてくださいました。

 

先の野村證券のお話に戻りますが、メディアではコンプライアンスについて報道がされています。
野村證券の社内チェック体制は国内最高レベルだったとも言われています。
企業がいくら社内のチェック体制を強化したところで、それに所属する「人」の倫理感が乏しいならば、同じ問題がまた起こるのではないかと思います。

「コンプライアンス=法令遵守」という世間の常識は、本当に常識なのか?
常識を疑うことも必要なのかもしれません。

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