FXの業務を取り扱う業者が破産申し立てを行いました。
FXをされている投資家が預けた証拠金は、無事投資家に戻ってくるのでしょうか?
【FX業者は保管をする義務がある】
FX業者は、投資家から預かった証拠金を保管する義務があります。
【保管の義務とは?】
FX業者は投資家から預かった証拠金を、FX業者の資産とは別に保管する義務があります。
この保管するのを信託銀行にお願いする方法を「信託保管」と言います。
信託銀行にお願いしない方法を「分別保管」と言います。
【なぜ分けて保管しないといけないのか?】
投資家の証拠金を流用しないようにするためです。
よく言われているのは、FX業者の従業員の給料の支払いに使われるというケースです。
自分の会社の従業員の給料を払えない会社は、いずれ倒産するのは目に見えています・・・
【信託保管と分別保管の違い】
・信託保管→投資家の預けた証拠金は信託銀行に保管されています。万が一FX業者が倒産しても、証拠金は投資家に返還されます。
・分別保管→FX業者の中で預かった証拠金とFX業者自身の資産と分けているだけですので、万が一FX業者が倒産しても証拠金は投資家に返還されない可能性があります。
FX業者が万が一倒産したときのことを考えると、信託保管をしている方が安心だと思います。
ですが、分別保管しているFX業者でも会社の資本金や財務内容を確認するなどすれば比較的安全なFX業者もあると思います。
【信託保管のデメリット・分別保管のメリット】
信託保管をすれば、保管を信託銀行にお願いすることになりますので、当然のことながらコストがかかります。
そのため、
・手数料が必要
・スワップ金利の支払いが少ない
・スプレットが大きい
などのデメリットがあります。
分別保管のメリットはこれらの逆になります。
【投資をする前にリスクを知ることも大事】
FXにより外貨投資をする目的は「儲けること」だと思います。
投資で儲ける以前のお話として、投資以外のリスクがある(預けた証拠金が戻らないこともある)ことを知る(安心してFA投資を行う)ことも大事だと思います。
【投資家が預けた証拠金は戻ってくるのか?】
投資家から預かった証拠金を分別管理することは法律で定められているのに、このニュースになった業者はしていなかった。
投資家が預けていた証拠金が全額戻ってくる可能性は・・・
ゼロに近いと思います。
(日本経済新聞3/20)
日本ファースト証券、金融庁が破産申し立て
金融庁が14日に東京地裁に出していた日本ファースト証券(東京・中央)の破産申し立てが19日、受理された。同庁は近く金融商品取引業者の登録を取り消す。同庁は自己資本比率規制が健全性の目安を大幅に下回り、回復の見込みがないと判断。投資家の資金を保護することを最優先し、破産を申し立てていた。
金融庁は2007年12月、すべての業務について6カ月間にわたり業務を停止するよう命令を出していた。行政処分は06年12月、07年12月に続き3 度目。外国為替証拠金取引(FX)業務で、顧客から預かった財産を分別管理していなかったり、自己資本規制比率も目安の100%を下回ったりしていたことが理由。3カ月経過しても経営状態が改善していないため、最も重い処分を科すことにした。