このところの日経平均株価の下落により、 リスク限定型投資信託に元本保証がされない事例が増えてきています。
元本保証されないリスク限定型投資信の事例は、
・購入したときの日経平均株価が17000円弱のときのもの
・購入時期は、2006年末~2007年7月くらいのもの
が多いようです。
この時期にリスク限定型投資信託を購入された方は、契約内容を確認した方が良いかもしれません。
【リスク限定型投資信託とは?】
買ったときから一定期間の間に「日経平均が2~3割以上下がらなければ、3~4%程度の利息を支払います」というような条件がついた投資信託です。
商品によって条件が異なりますが、購入された方は一定以上の下落がない(ノックインしない)と、高い運用利回りを受け取ることができます。
ですが、期間内に一定以上下落してしまう(ノックインする)と、元本が保証されずに日経平均に連動する投資信託になってしまいます。
つまり、ノックイン価格を下回ったリスク限定型投資信託を購入した方は、今現在日経平均12000円を割った価格の投資信託を持っているということになります。
【どうして高い利回りが保証されているのか?】
日経平均オプションなどのデリバティブを組み合わせた商品で、リスク限定型投資信託を購入された方は、日経平均のプットオプションを売ってオプション料(プレミアム)で利回りを受け取る仕組みになっています。
オプション・デリバティブ・プットオプション・プレミアムなど、聞きなれない横文字がたくさん並んでいると思います。
リスク限定型投資信託は、こうした複雑な金融工学を用いて開発された商品ですので、一般投資家はなかなか深いところまで理解できないのが通常です。
【本当に高い利回りが保証されているのか?】
日経平均株価が10%や20%上がったとしても、その利回りは当初の契約通り3~4%程度と決まっています。
つまり、リスク限定型投資信託ではなく「利益限定型投資信託である」と言い換えることもできるのではないでしょうか・・・
(日本経済新聞3/18) リスク限定型投信、ノックイン価格下回る・日経平均大幅安で
当初に設定された条件のもとで元本保証と高利回りをうたった「リスク限定型投信」で、株式相場が一定の株価水準を超えて推移するという条件を満たせなくなる事例が相次いでいる。条件に定めた株価水準をノックイン価格と呼び、株価が同価格を下回るとその投信の償還価格はその後の株価に応じて変動する。日経平均株価が17日に1万2000円を割り込み、この水準をノックイン価格とした商品が多かったためだ。
この日は中央三井アセットマネジメントで計六本、設定時の元本ベースで約1100億円のリスク限定型投信で株価がノックイン価格を下回った。このほか、みずほ投信投資顧問(三本)、三井住友アセットマネジメント(三本)、DIAMアセットマネジメント(一本)などもノックイン価格を下回る商品が出た。
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