・相続税の脱税額→28億6000万円。
・遺産隠しの総額→59億3000万円。
相続税の脱税額としては過去最高額になったという事件が大阪市でありました。
【相続税の税務調査までの流れ】
(1)父親が他界されたのは2004年、相続税の申告書はおそらく2005年に提出されていると考えられます。
(2)税務署は、提出された相続税の申告書に間違いがないかをチェックします。
(3)税務署は、間違いがある・脱税の疑いがある相続税の申告書を提出した相続人に、税務調査をすることをお知らせします。
(4)実際に相続税の税務調査が行われるのは、相続税の申告書を提出した年から2~3年後。
【今回の税務調査はあるべくしてあった】
税務署職員にも税金を取るというノルマがあります、そしてそれは自分の昇進にも大きく影響します。
言い方は悪いですが、税務署職員は効率よく税金を取る戦略を考える必要があります。
遺産が多いところから税金を取るのが一番効率が良いと考えることは自然なことだと思います。
税務調査をすると決まった時点で、税務署は脱税なりの何らかの証拠を掴んでいます。
【税務調査に入られないようにするにはどうしたらよいのか?】
税務署が疑いを持たない相続税の申告書を提出することが一番だと思います。
しかしながら、しっかりとした申告書を提出しているときでも遺産が多ければとりあえず税務調査が行われます。
相続人さんと面談すれば何かが出てくるかもしれませんので・・・
【脱税による罰金はおそらく9億円程度になると思われます】
脱税による罰金はおおむね30%程度。
しかし、今回のケースは悪質すぎるのでパーセンテージは上乗せされると想像できます。
28億6000万円×30%=約8億6000万円。
最低でも9億円程度の罰金になることが予想されます。
(日本経済新聞3/11) 相続税28億6000万円脱税、過去最高額に・大阪の女社長2人逮捕
大阪市で貸金業と不動産賃貸業を営んでいた父親の遺産約59億3000万円を隠し、相続税約28億6000万円を脱税したとして、大阪地検特捜部は11日、長女で「東海商事」社長、李初枝容疑者(64)=同市生野区=ら2人を相続税法違反の疑いで逮捕し、大阪国税局と合同で関係先10カ所を家宅捜索した。相続税の脱税額としては過去最大になる。
ほかに逮捕されたのは4女で「光南興業」社長、李淑子容疑者(55)=同。調べに対し、初枝容疑者は「現金が自宅にあるのを忘れていた」などと容疑を否認、淑子容疑者は認めているという。
調べや関係者によると、両容疑者は、創業者の父親(当時87)が2004年に病死したことから、預金など約75億円以上を親族計8人で相続、ほかの6人から手続きなどを委任された。しかし、そのうち約59億3000万円を申告せず、相続税約28億6000万円を免れた疑い。
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