子供さんがいらっしゃらないご夫婦からこんなご相談をいただきました。
【ご相談内容】
私たちに万が一のことがあったら、遺産を相続するのは私たちの兄弟だと思います。
夫の姪っ子にどうしても遺産をあげたいのです。
そんなことから、姪っ子に遺産を渡すような内容で公正証書で遺言書を先日作ったばかりです。
このとき、姪っ子の相続税は兄弟と比べて増えたりするのでしょうか?
【長嶋の回答】
(1)姪っ子さんの相続税は、兄弟の相続税と同じ負担になります。
(2)姪っ子さんは相続人ではないので、遺産を相続する権利がありません。
遺言を作成されたのは正解だと思います。
【解説】
(1)一親等の血族(父・母・子)と配偶者以外の方が遺産を相続すると、相続税が2割増しになります。 兄弟も姪っ子も一親等の血族ではありませんので、共に相続税が2割増しになります。
(2)相談されたご夫婦共に万が一のことがあれば、相続人は兄弟となります。姪っ子さんは相続人ではありませんので、遺産を相続する権利がありません。このように、相続人でない方に遺産を渡したいときは、遺言で「姪っ子さんに相続させる」と書いておけば確実に姪っ子さんに遺産を渡すことができます。
ただし・・・相続人である兄弟がその遺言に納得しないときは、その遺言を無視して兄弟の判断で遺産の相続をすることができます。
遺言を作ったからといって、それで安心というものではありません。
【雑談】
ご相談されたご夫婦は、遺産相続について考えるのが面倒だから公正証書による遺言を作成したとおっしゃっておられました。
長嶋は「子供さんがいらっしゃらないご夫婦の中には、遺産を市町村などに寄付をして公園を作ってもらう方もいらっしゃるんですよ」とお話をさせていただきました。
ご夫婦は「そういうこともできるのね」とおっしゃってました。そして「確かに寄付すれば遺産相続で争うこともないわね、うちの自宅は角地にあって広さもちょうど公園にピッタリの場所よ」と冗談半分でおっしゃっておられました。
そう言って、ご夫婦は満足された顔でお帰りになられました。
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