先日、アメリカ永住権(グリーンカード)保持されている方から相続税対策のご相談がありました。
【家族構成】
お話を伺うと、ご家族が日本とアメリカにお住まいであることがわかりました。
・ご相談者様:アメリカ永住権(グリーンカード)を保持されているが日本国籍であり、現在は日本にお住まいです。
・奥様と子供さん:アメリカ永住権(グリーンカード)を保持されており、現在はアメリカにお住まいです。
・ご両親:日本国籍で日本にお住まいです。
【日本の相続税とアメリカの相続税(遺産税)の問題】
ご相談者様のご家族は、日本とアメリカにお住まいです。
このように日本の国境を越えてご家族が生活されている場合の相続税対策は、それぞれお住まいの国の法律関係を確認する必要があります。
ご相談者様のご家族の場合、日本とアメリカの法律を確認しなければなりません。
なぜなら、日本の相続税法では問題がなかったとしても、アメリカの相続税(遺産税)法では問題があることがあります。
その逆に、日本の相続税法では問題があったとしても、アメリカの相続税(遺産税)法では問題がないことがあります。
このように、日本の国境を越えてご家族が生活されている場合の相続税対策は、各国の相続税法の問題をクリアする必要があるため、慎重な対応が求められます。
【相続税対策の他にも困っておられた3つのこと】
当初のご相談は、相続税対策ということでしたが、お話を伺うと相続税の他にもお困りのことがありました。
(1)日本の所得税とアメリカの所得税の問題
(2)アメリカ永住権(グリーンカード)を維持するための手続きが苦痛
(3)アメリカに住む家族の生活費の問題
(1)日本の所得税とアメリカの所得税の問題
ご相談者様は、現在、日本にお住まいで日本で収入があるため、日本での所得税の問題が出てきます。
さらに、アメリカ永住権(グリーンカード)をお持ちであるため、アメリカでの所得税の問題が出てきます。
日本の所得税とアメリカの所得税の問題点について、お話させていただきました。
(2)アメリカ永住権(グリーンカード)を維持するための手続きが苦痛
ご相談者様は、仕事の関係で現在日本でお仕事をされています。
子供さんはアメリカの学校に通われているので、奥様はそのままアメリカに残って生活をされています。
ご相談者様は、今後、当分の間日本で生活されるご予定だそうです。
そのため、アメリカ永住権(グリーンカード)を維持するための手続きが苦痛に感じておられました。
そこで、アメリカ永住権(グリーンカード)を保持していることのメリット・デメリットをお話させていただきました。
(3)アメリカに住む家族の生活費の問題
ご相談者様は、アメリカで生活している奥様と子供さんのために、生活費を送金しておられます。
しかし、日本の銀行から海外の銀行へ送金する場合、送金手数料が高額となります。
ご相談者様は、この送金手数料を安くする方法を探しておられました。
そのため、送金手数料を節約する方法をお話させていただきました。
【国境を越える相続税対策は日本の常識がまったく通用しない】
日本の国境を越える相続税対策を行う場合、日本の常識がまったく通用しません。
なぜなら、アメリカではアメリカでの相続税(遺産税)法があるためです。
また、それに伴いアメリカではアメリカの相続税対策の考え方があります。
日本の国境を越える相続税対策を行う場合、これらを十分に理解する必要があると思います。
【税理士事務所参考ブログ】
・【アメリカ相続税(遺産税)】グリーンカード(green card)保持者からの遺産相続のご相談(2009/10/26)